舞台は戊辰戦争時の奥州。官軍が続々と北上する中、貧乏農家の倅で嫁の来手もない千太(伊藤敏孝)が旅の女を襲おうと追っかけているところから始まる。それを横から掻っ攫った万次郎(岡田裕介)は薩摩の密偵だったが、単に世が変わる面白い時代に上手くやってやろうと思っているだけの奴。この2人に襲われた女・お糸(伊佐山ひろ子)とひょんな事で千太が身請けしたテル(千波恵美子)という女が戊辰の戦の中で繰り広げる喜劇。戊辰ものと言っても主人公二人は主義や主張なんか全くなしの無頓着で、ただ騒ぎを面白がっており、それより上なのは女と金への欲望だ!とばかり単純な動機で動いていて、巻き込まれていても戦なんてどこ吹く風。これが喜八さんらしいテンポでポンポン進む。
千太はとにかく能天気で、会津に向かう土方歳三(仲代達矢)と細谷十太夫(高橋悦史)の会話を聞いて「かっこえー、面白れー」思ってしまい、戦見たさに細谷ら仙台藩士に付いて回って世良暗殺に巻き込まれ、ドンゴリ藩士に苛立った細谷達のからす組へ入ってしまうおバカさん。そこへ時代が読めないと時にあざ笑いながら敵になったり味方になったりと目まぐるしく変わる万次郎が絡む。その内に奥羽の旗色が悪くなって仙台伊達が降伏すると、千太はからす組を離れて仲間の敵討ちに錦旗を狙う。それをダシにして御用金を狙う万次郎が組むけれど、手打になりかけ、今度は逃れた先で山川大蔵(田中邦衛)の一隊に請われて彼岸獅子を先頭で踊りながら会津・鶴ヶ城へ入城するハメに…。
娯楽でエロも多いんだけど、いやもう、エピソードてんこもりで戊辰ものとして見ても可笑しくて、ここでこの人が出てくるかー!とウケてました。悦史さんの細谷は親分肌だったと言われる雰囲気が出ていたし、仲代さんの土方は細谷さんと会話のシーンのみの登場だけど穏やかでも腹括った感があってポイント高し。二本松少年隊の無残なシーンや娘子隊も出てくるのにこれで93分にまとまっているとは脚本がすごい。「助太刀屋助六」が遺作になってしまった岡本喜八監督ですが、亡くなる前に企画が上がっていた山田風太郎の「幻燈辻馬車」が完成していればと悔やまれます。仲代さんや真田さんの配役も決まっていたのに勿体無すぎる。夫人が監督しての遺稿の映画化中止がやはり惜しい。
いいな〜CS、面白い映画をやってるんですね。
内容はハチャメチャっぽいですが、ちゃんと時代背景が織り込まれているのは、大御所監督の技なのでしょう。
例のDVDですが、結構画質が良いですね。
スタッフロールを見ながら、「この人定年退職した」とか「この人死んだ」とか言いながら見てます(^^;
お手数お掛けします。
ありがとうございます。
70年代風味の青春活劇ですが、首を打たれる世良が「足軽上がりが…」の言葉に見せる表情だとかちょっとしたシーンも印象に残ってます。最近CSでもちょっと古めの映画のチェックに走ってるんですが美味しいのありますよ。
DVDいけてましたか。よかったー。
じゃあ続きも同じ形式で渡すようにします。
> スタッフロールを見ながら、
もうスタッフも引いてらっしゃる方があるんですか。そりゃ30年前のドラマですもんね。でも、作品として仕事が残っていくってのはうらやましいです。
岡本監督の作品は、「大誘拐」をTVで観て、
映画館で観たかったな・・・と思いました。
休日から全然手付かずでしたが、
やっと 例のDVD、観られました。
感謝感激、雨あられで、ございました。
懐かしいよぉ〜。
これ、妹にも観せてやろうかと。
一家全員で観てましたから。
それにしても、若い!
さて、DVD見られましたか。前に借りたのが駄目だったっておっしゃってたんで気になってたんです。
それマスターですけど、こっちは一通り見てるんで妹さんとごゆっくりご覧下さい。3話飛んじゃってて申し訳ないっす。