ちょいと真面目な本の話。
新聞の書評で上海総領事館員自殺事件当時の上海総領事が
書いた本と知って興味を引かれて購入した。
事件そのものには言及がなかったのが少々残念だったけど
外務省のチャイナスクール出身の外交官には
なお書けない部分もあったのかと思う。
それでもキャリアに沿って見聞きしたものに意見を交え、
中国の問題を抑制のきいた文章でまとめてあり、
時代ごとの具体的な出来事を取り上げられてるので
最後まで面白く読めた。
官僚っぽい所もあるかと思えば、靖国の下りは本庁本流とは
逆を言ってるし、水不足や農民問題などは突っ込んだ意見も
あって著者のこだわりが出てる。バチカンとの国交正常化案
にはそういう手も考えられるのかとへ〜っ100。
あれこれ問題は山積みでも国の場所を引っ越す訳には行かない、
できることから考えようという引かない姿勢が好ましい。
そして、この本を読み終わったのは木曜日の帰りの通勤電車。
家に戻ると夕刊に著者の訃報が載っていた。
3日午前5時10分、肺ガンのため死去。57歳。
末期ガンと書かれていたけど、何かができる人が亡くなるには
やはり早い気がする。病床で書かれたこの本の完成と出版が
間に合った事が少しでも慰めになるのか。
お悔やみ申上げます。
【関連する記事】
「大地の咆哮」の本をあさみさんに紹介された後
長崎の海自隊員が情報漏洩で処分された記事を
読みました。
その隊員は、度々上海を訪れていたとかで
それも毎回同じクラブに通っていたそうです。
そして、そのクラブには自殺した上海総領事館も
通っていたとか・・・・
なんだかミステリーの臭いがしそうです。
杉本信行さんは亡くなられたのですね。
ご冥福をお祈りします。
是非この本を読んでみたいと思います。
昨夜レス入れたつもりだったんですが・・・
寝ぼけてたのかもしれません。
海自一曹の事件も丁度本を読んでる最中で
またか、と思うと同時に、知らない場所で
色々仕掛けられてるのかと空恐ろしい気が
しました。
他の中国物の本と内容は被ってますけど、
最近中国に行かれたねこ江戸さんには
余計に興味深いんじゃないんでしょうか。