トム・ハンクスとスピルバーグコンビの「ターミナル」。クラコージアという架空の東欧の国からNYのJFK空港に降り立った男:ビクター・ナボルスキー。彼が出国してから国でクーデターが起ったためにビザが取り消され、アメリカにも入国できず、国に戻ることもできず、空港で暮らす羽目になるところから始まります。英語もほとんどダメ、持っていた金も無効になり無一文。そんなビクターがガイドブックとモニターで言葉を覚え、カートの返却で25セントを稼ぐようになり、スッチーとの恋もあり・・・とあり得ないけど、「もしも」のシチュエーションの隙間を埋めていくような話でした。
大してヤマがある話ではないし、飽きずに見られるのは空港セット一式作ったほどの丁寧な作りとやっぱりトム・ハンクスに負うところが多いと思う。言葉が通じないため警備主任のディクソンの状況説明が分からず、ロビーのモニターで流れているニュースでやっと故郷の異変を知る。慌てて訪ねようとするけれど言葉が通じず途方にくれる。マンガみたいなシーンだけど細かい表情を見てるとマジで可哀想になって来て笑えないんすよね。いつものゴージャスな雰囲気は押さえ気味で上手く行かない恋に悩むフライトアテンダント役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズもいい感じ。恋の橋渡しを頼むレイや掃除人のグプタ、荷物運搬のマルロイ、警備員達など空港で働く人達も誰も悪人の出て来ないので、難しく考えないでほっこりしたい時にでも。
関係ないけどビクターが空港内で職探しをする時に吉野屋が〜。